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保育社 カラーブックス 908 「写楽」


「写楽、これまた歌舞伎役者の似顔をうつしせぬが、

あまりに真を画かんとして、あらぬさまにかきしかば、

長く世に行われず、一両年にして止む。」

-----------------------[ 大田 南畝 「浮世絵類考」 寛政12(1800)年 ]


いかにも浮世絵。

いかにも日本の絵。

誰もがその名を知り、その作品を目にしたことがあるであろう絵師。


東洲斎写楽は寛政6(1794)年から翌年正月までの10ヶ月間、

140点ほどの作品を残して忽然と姿を消した、今もって謎の絵師である。


当時、美化して描くのが当然だった役者絵にあって、

写楽は演ずる者のしわまでを克明に描いた。

それが不人気の理由といわれるが、その技術的評価は当時から高かったようだ。


しかし不思議なことに、写楽の素性は今もってはっきりしない。

写楽がデビューを飾った作品は、当時浮世絵の中で最も豪華な大判錦絵。

名も無い新人アイドルがブックレット、DVD付のフルアルバムでデビューするようなものだ。

そこに、余計にその正体を探る議論が活発化する一因がある。

円山応挙、葛飾北斎、歌川豊国、、、みな写楽の正体の候補らしいぞ、笑。


他にも候補者は様々いるわけだが、

この本では、「斉藤十郎兵衛」という能役者という結論に達している。

おそらく間違いはないのだろうが、それとて十分な証拠があるとは言えない。

どれを取っても、誰を立てても「推察」の域を脱しきれないのが実情だ。



だが絵の前に、写楽が誰であるかは大きな問題ではない。

特にデビュー当初、役者の上半身を描いた大首絵の強烈さは

学ぶに十分な要素を多々持っていると思う。




文庫本サイズの保育社カラーブックス。

資料として持つにはあまりに小さすぎるし、印刷もそれなりではあるが、

なんとこの小さな本に写楽作品の全てが載っている。

ここが凄い!

しかも、この本たったの¥1,050 だ。

ここが凄い!






最低限の知識を得、全作品を目にすることができるこの本。

江戸のミステリーに思いを馳せるもよし、

写楽作品に気軽に触れるもよし。


なんせ¥1,050、笑。

amazon.co.jpで買えます。
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今日は有り難う御座いました。
今日は良い物を見せて頂いて、音を聞かせて頂いて有り難う御座いました。
目の保養になりました!<m(__)m>
さらに進化するのを楽しみにしています。
では、また。(^o^)丿
よっし~ 2007/05/12(Sat)19:53:28 編集
無題
とんでもないですよ~。
今度は一緒に走りましょう!!
americoma 2007/05/13(Sun)08:38:05 編集
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人 魂 で
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アメリカと日本、
そしてそれぞれの文化を
こよなく愛し、
その矛盾する感覚に
自分自身興味津々。


1996 BUELL S1
僕の頼もしい愛車。

葛飾北斎と
MOTLEY CRUEを
崇拝しております。

休日は近所のタリーズで
絵を描いたり、
雑誌読んだり、
人間観察したり、
考え事したり、
何もしなかったり。
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