サブロウ。

144時間。

つまり、6日間。

この6日間、バイクに指一本触れなかった。

別に珍しいことじゃない、そう思う人が多いだろうけど、

僕にとっては実に約5年ぶりの出来事だったのだ。

さすがにつらい。

体がバイクを求めてしまって、ウズウズして仕方が無い。




6時に職場を飛び出して、一直線に自宅へ。

手に持ったカバンを放り投げ、

放り投げてあったヘルメットを手にとって、

さぁナイトクルージングだ♪


体中が沸騰するような感覚。

興奮が抑えられなくて、ヘルメットの中ではニヤニヤし続けていた。




最高のオモチャ、オートバイ。


それを売り、つまりそのプロフェッショナルとして振舞った今までの生活は、

とても幸せで恵まれたものだった。




オモチャで遊ぶ時間を失った今、

しかしそれは純粋なオモチャとなって、

今まで以上に輝いている気がするんだ。


ぼんやりとしたメーターの灯りが、

大きく震える車体が、腹に響く音が、

僕の疲れをあっという間に消し去ってくれた。


明日は雨らしいですね。

本当は明日山中湖にでも行こうと思っていたのだが。






ある種の歓迎イベントのようなものらしい。

先輩と、課長とで昼食を食べに外へ出た。



汐留ってのは、まさに雨後の竹の子。

あっという間に生えた巨大なビルと整備された区画。

だけどそれはほんの一部の光景であって、

歩けばすぐに普通の街並みになる。

色々会話を交わしているうちに着いたのは、小さなラーメン屋。

ここもまた行列だ。



「初めて大盛りをご注文される方は、まず野菜大盛りを試して下さい。

食べ切れなかった場合はペナルティー500円です。」

食券販売機に張り紙があって、僕は普通盛りに。

本当は大盛りが「歓迎イベント」らしい。


で、今日もデジカメをオフィスに置いてきてしまい、

泣く泣く「livedoor グルメ」より画像を転載します。


















コレ、もちろん普通盛りです。

これでカウンターからの高さが20cmを少し超える程度だと思うが、

大盛りは間違いなく50cmを超えている！

写真を見たが、もやしがクリスマスツリーのようになっていた。。。

味は普通に旨いし、これで600円なら上等だ。

なかなかいい店だ、ラーメン三郎。

女性にはちょっと無理だと思うけど、

普通に食べてしまう女性がいても僕はその人に魅力を感じません、笑。





軽く気持ち悪い状態で午後も勤め上げたわけだが、

徐々に仕事らしい仕事も始まってきている。

デザイナーさんとの打ち合わせに参加したり、

原稿の責了、つまり最終チェックに携わったり。

楽しくて仕方がないというのが率直な感覚だ。


コンプライアンス(法令遵守)についてと、

住宅や広告、景品・懸賞に関する諸処の法令について、

それぞれ社内にライセンス制度があり、

僕はその2つを取得しなければならない。

年内は勉強の日々だ。



この会社は過重労働で有名だったそうだ。

倒れたり、うつ病になったり、そういった負の経験の反動か、

ノー残業に猛烈に躍起になっていると感じる。

先日の休日出勤も本当に久しぶりらしく、水曜日にしっかりと代休をもらった。

「金曜じゃなくていいの？」

と聞かれたんだが、癖なのかな。

木曜定休だったハーレーの店では、水曜が僕の王道。

連休になるし、金曜は週末イベントの準備があったりで休みづらい。

会社が変わっても休みの取り方がまだ前のままだ、笑。







雨に降られぬよう、早々と家に向かった。

以前は土砂降りでもバイク通勤だったのにな。





店はどうなっているかな。




正直な気持ち、

辞めても何も変わらないというのは寂しい。

いてもいなくても良かったってことじゃないか。

辞めた途端いい店になったというのは悲しい。

いるだけ邪魔だったってことでしょう。


だから、

少しは大変になってもらいたい、笑。




でも、今まで以上にいい店になって欲しい。

やれたこと、やり切れなかったこと、色々あるけれど、

今までよりもっともっといい店であって欲しい。



たかだか1週間だが、新天地を目の当たりにして実感した。

僕の選択は正しかったと思う。

僕にとってより良い道であったのだと、そう確信している。

やっていけるとかいけないとかってのは、

仕事の内容云々、業務云々ではなく、

人と人との、一瞬で判断できるフィーリングなんだと思うんだ。

僕は新しい道を見つけられたんだと思う。

僕はここでやって行くぞ。

そして、

だからこその店への想いも新たになる。

懐かしい。いい職場だった。

これからもいい店であって欲しい。





夢と、回想とが入り混じったような、

不思議な、幸せな想いでいっぱいになりながら、

僕は感触を確かめるようにビューエルを走らせた。