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最近ブログの更新が遅れる。。。
という訳で、先週の木曜日のこと。
デートがてら原宿へ行ってきた。
目的はズバリ北斎作品!!
現在太田記念美術館で開催中の特別展だ。
フランスのパリにあるフランス国立ギメ東洋美術館は、
ルーヴル美術館の東洋部の役割を果たす由緒ある美術館。
ただしこの美術館、大量の所蔵品はまとまって公開されたことが無く、
しまわれたままの作品も数多かったらしい。
そんな中、ギメ東洋美術館にあった「龍図」と、
太田記念美術館蔵の「雨中虎図」が、なんと双幅(ペア)だったことが近年判明し、
今回の展覧会でこの世紀の大発見を鑑賞できちゃった訳だ!
画像には掛け軸を囲む帯やら何やらが全く無いので判りづらいが、
装帯が完全に同一で、サイズもほぼ一致すること。
ともに葛飾北斎の没年の作品であること。
並べると虎と龍が睨み合い、
さらにその口元は阿吽(あうん)の形態をとっていること、
などが双幅を決定付けたようだ。
今回この作品には靴を脱いで畳の上で対峙できた。
初めて生で見る龍図はかなりヤバい。
黒というより青いドロドロ。
うねる龍はかなり力強いタッチで描かれていて、まさに圧倒的だった。
これを90歳で描くんだもの、普通の人ではない、笑。
日本に根強く残る悪しき慣習、
いやかつてはそんなことなかっただろうに、大袈裟に言えば
「絵画を鑑賞すること=教養のある人のすること」という図式を感じる。
ピカソの名作を、ダヴィンチの傑作を前に、
「何がいいのかさっぱりわからん!」とは言えまい、笑。
「よくわからないけどスゴイものなんだなぁ」と無理やり納得してしまうか、
さもなければその値段ばかりが気になる人はきっと多いと思う。
でもね、
作詞作曲できなくても、楽譜が読めなくても、カラオケに行けば楽しめるでしょう?
映像に関する知識なんか皆無でも、デートで映画観に行くでしょう?
楽器なんか弾けもしないのに、「あの曲はイマイチだ」と言う。
絵コンテも描けないのに、「あの監督の映画は好きじゃない」と言う。
それでいいんだ。
作品なんて好きか嫌いか、分析する必要なんてないんだから。
ところがどうだ。
絵を前にしたらどうだ。
「私は絵はちょっとわからなくて。。。」
絵を前に自身の感覚は萎縮し、心ではなく脳味噌が判断をしてしまう。
そしてもう一つ。
「日本<海外」という構図。
未だに日本では印象派が持てはやされる。別に悪くはないけれど。
ライオンキングを見に行きたい人は多いが、
「今週末は歌舞伎を見に行こうぜ!」という人は少ない、笑。
歌舞伎はかなり面白いぞ!
近代史上例を見ない、日本の「鎖国」。
260年もの年月を閉ざされた箱の中で過ごした江戸の文化は、
やがて独特の花を咲かたし、それは将軍や武士ではなく、町人衆が咲かせたものだった。
なかでも大輪の花となったのが「浮世絵」であり、
浮世絵を描く幾多の絵師達の中で、ひときわ異彩を放ったのが北斎だった。
絵は人を楽しませるために存在し、
掛け軸や襖絵は居を彩るためにそこにあった。
「美を楽しむ感覚」は確かに日本に自然に存在していたのだ。
幕末の日本は、僕らの文化を投げ捨てて欧米文化に飛びついたのだろう。
洋服を着てダンスを楽しもうとし、突然に女性のヌードを描き始めた。
宗教に根ざしたヌードではないから、思えばこの頃から、美と生活は乖離していったのかな。
一方で独自の日本画はあっという間に海外へ流出してしまった。
ゴッホやセザンヌが浮世絵をたくさん買い集めていたのは有名な話だ。
平日なのに、驚くほど館内は混雑していた。
美大生や留学生みたいな若い人。
学校の先生みたいな人。
あとはご老人、ご老人、ご老人。。。
今回の展覧会、有名な東洲斎写楽の作品にも出会える。
浮世絵の世界に突如現れ、優れた作品を半年間に渡り発表し続け、
忽然と消息を絶った謎の絵師・写楽。
まぁ彼の話はまた次の機会にして、、、
写楽の下絵などそうそう見れるものではないぞ。
東京都現代美術館なんかは周りに何も無くてつまらんけど、
大田記念美術館は原宿駅から徒歩3分。
表参道と竹下通りに挟まれたロケーション。
デートの合間でも、買い物のついででもいいから、
とにかく騙されたと思って観てみることをオススメします。
何もわからなくても、知らないうちに何だかわからないパワーを得られるはず。
僕の好きな「浮世絵パワー」ですよ、それ、笑!!
太田記念美術館 「ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展」
2月25日まで開催。
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
大人¥1,000
太田記念美術館 特別展案内
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
共催 NHKプロモーション 展覧会情報
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/ukiyoe/index.html
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行 く 気 散 じ や
夏 野 原
アメリカと日本、
そしてそれぞれの文化を
こよなく愛し、
その矛盾する感覚に
自分自身興味津々。
1996 BUELL S1
僕の頼もしい愛車。
葛飾北斎と
MOTLEY CRUEを
崇拝しております。
休日は近所のタリーズで
絵を描いたり、
雑誌読んだり、
人間観察したり、
考え事したり、
何もしなかったり。