その先の自分へ

10日間の休みもあっという間だ。

京都へ赴き、古都の風情と紅葉を楽しみ、

狩野永徳の特別展覧会に足を運ぶプラン。


信州・小布施へ久しぶりにバイクを走らせ、

葛飾北斎の肉筆画に再会するプラン。


伊豆、富士、長野、、、

今まで仕事として走ってきた快走ルートを、

自分ひとりで駆け抜けるツーリングプラン。


もう一度ロサンゼルスへ飛んで、

ROCKな雰囲気にどっぷりつかる贅沢プラン。


結局のところプランばかりが先行してしまって、

細かな用事も結構多くて、

何か成し遂げたということもない束の間の休息。





今日は、いや、今日もタリーズで温かいラテを飲みながら

しばし考え事をしていた。







一般論としてではあるが、

一人前の大人ならその人生には計画性があるのが望ましい。

仕事、お金、結婚、そしてそれらを含意する生活そのものに、

ある程度計画を持って取り組むのが、

一人の社会人として好まれる。



それに関して異論は無いが、計画性って一体何なんだろう。



転職を機に、自分の将来のことを散々考えた。頭が痛くなるくらいに考えた。



新しい職場が、経験の無い職種が、

自分にさらなる成長をもたらし、充実した人生を送れる保証など何処にもない。

その先を計画できるようであるならば、

何もこんなに苦労することなど無いだろう。




弾けるようになった曲ばかり弾いていても、

それ以上の上達は見込めない。


過去に自分が完成させた絵を描き直しても、

そこから得られるものはちっぽけなものだ。




弾いたこともないベースラインを耳にすれば

サンダーバードを手にとって弾きたくなるし、

自分の絵を見て思うのは

「たいした事は無いな」という思いばかり。




その先が自分を成長させていくのであろうし、

その先が見えないから成長できるはずだし、

だからこそ僕は武者震いするのだと思う。








ハーレーダビッドソンとビューエルに囲まれた4年半。

非常に素晴らしい仕事であった。


しかしながら、

今後の自分の成長は想像の範囲内であった気がしていた。





それが自分を動かす動機だったのかな。

温かいラテを飲んでいて、ふとそう感じた。








明日から新しい人生が始まる。

過去をうまく取り込んで、

今までの経験を生かしながら、

今まで為し得なかったモノを手に入れる。





その先の自分へ。

それ以上先はわからないけど、自信はある。





今まで僕と一緒に仕事をしてくれた皆さんと、

僕と一緒にバイクライフを楽しんでくれた皆さんに、

もう一度、ありがとう。

そして、

これからもよろしく。