春霞。春バイク。

まるで天が心変わりしたかのよう。

突然春の陽気に包まれた東京。

自然とはなんて不思議なんだろう。




時間が許せば、

有楽町や丸の内までランチに出かけても気持ちいい。

休日の散歩もまた最高だ。


春は人を幸せにしてくれる。

春は憂鬱を忘れさせてくれる。



しかし最も僕の春を幸せにしてくれるのは、

そう、ビューエルに他ならない。

乗りたい。

こういう天気が続くと、心が騒ぎ出す。


春の陽に照らされたアスファルトのその先を睨み、

春風を感じ、春の匂いを嗅ぐ。

あの感覚。


重厚な排気音はエンジン回転と共に連続音となり、

体を揺さぶる振動は徐々に収束していく。

あの感覚。






春バイク。


この時期は無性にバイクに乗りたい。

きっと、根っからバイクの必要な人間なのだ。


大切な相棒S1は車検整備で預けたまま。

電話したところ車検は取得したが、整備が途中のようだ。

乗れないとさらに乗りたくなるのが人の心。

晴天の休日が過ぎていくのが実に勿体無い。









最近職場からの眺めがあまり良くない。


春霞。

いったい何が飛んでいるのか知らないが、

春の空は霞む。


春霞。

それ自体あまり喜ばしいことではないが、

それが春の証であるのなら、

それは大変に喜ばしいことだ。