碧い空

夕暮れ前のほんの一瞬、

空気がとても青くなるときがある。

「青い」というよりも、

「蒼い」とか、「碧い」とか、

そう表現したくなる、少しグレーの入ったブルーだ。


詳しい話は忘れたが、

確か光の波長で最も長いのが青で、

そのために空や海は青く見えるのだったと思う。

その話に関係して、

きっと空気がいつもより碧いこともあるのだろう。


コーヒーを飲みに行こうと思ってバイクカバーを取り払うと、

ビューエルのあちこちが碧く反射していた。









ゴールデンウィーク。

16連休ともなれば文字通り黄金であろうが、

僕の連休は3日間でおしまい。

明日からまた仕事だ。


最近また忙しくて、

しかも4月から新しい仕事に取り組んでいるものだから疲れる。

何だか落ち着かない日々を過ごしていたら、

ほら、あっという間にもう5月だ。




8日で誕生日を迎える。

何回目、、、30回目だ。


中学生や高校生の頃、

30歳と言えば完全なオッサンだった。

いや、大学生の頃だってそう思っていたに違いない。

自分の思考回路は大学時代とさほど変化していない気がするが、

あれから10年。

時間は確実に経過しているのだ。




27歳とか、28歳とか、そのくらい。

音も無く迫り来る30代という年齢・年代に対して、

言葉にならない嫌悪や恐怖を感じていたことがある。

あぁ、もうすぐ30歳になってしまう、と、

まるでそれが死であるかのごとく30代を悲観していた。



しかし、それが目前に迫ってみるとどうだ。

忙しくて30歳になることすら忘れそうであった。



僕なりの結論を述べるとすれば、

30歳というのはひとつの通過点である。

29歳の次、31歳の前に必ずやってくるひとつの年齢、

それ以上でも以下でもなく、

だから29歳や31歳と同じものだ。





「オトナ」という言葉は、

いい意味にも悪い意味にも使われる。不思議な言葉だ。

だから僕は、

この言葉に惹かれることも、この言葉を蔑むこともあるし、

「オトナ」でありたいとも、そうなりたくないとも思う。


いい意味の「オトナ」は、

マルボロを燻らせてジャック・ダニエルのダブル・ロックを傾ける、

そういうオトナ。笑

スーツをカッコよく着られる、そういうオトナだ。


悪い意味の「オトナ」は、

自分の思想や主義を騙して日々を過ごす、

そういうオトナ。

時にそういう手段が必要になることはあるだろう、

ただしそれが常であるのなら、それが本当の自分になってしまう。



ある意味では「オトナ」になる。

これまで以上に、そういう自分を目指す。

自分を磨きたい。

ある意味では「オトナ」にはならない。

それは容易ではないだろうが。





この1年で何か要求されるわけではない。

変貌を遂げられるわけでもない。


ただ今まで以上に、

なんだか楽しみが増えてきたのは事実かもしれない。

きっとまだ見ぬ30代は、

楽しい世界なのだろう。




碧い空。

久々に足を運んだ朝霞のスターバックス。


碧い空と、明日への期待に胸膨らませ、

そんな気分に浸りたくて聴いていたのは

Louis Armstrongの名曲「What a Wonderful World」。

風が気持ちいい。







誕生日のお祝いにひとつ。

MVP受賞の記念と、

その他もろもろ日々の感謝の気持ち、にひとつ。

恋人が、

高額にも関わらず2つもプレゼントしてくれたのは、

以前から欲しがっていたクロムハーツのピンズ。


スーツの襟に留めることも、

ネクタイにワンポイントであしらうこともできる。



カッコいいオトナになれますように。