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それは、あまりにも突然の知らせ。

ハーレー屋の後輩からのメールで、

僕は今年一番残念な出来事を知る。







ビューエルの生産中止。

それはつまり廃業を意味する。

創業者エリック・ビューエルのコメント(日本語訳・Webikeより)







Buell Motorcycle Company という会社は、

設立時こそ単独の会社であったものの、

現在はHarley-Davidson U.S.A の傘下にある。



今回の廃業劇は、どうやら親会社のハーレー・ダビッドソンにあるようだ。


昨年来の世界的な不況に端を発すると思われるが、

100年余の歴史を持つハーレーにおいても、

この不況の波は避け切れなかったらしい。

販売台数、売り上げ共に大幅にダウンしているようだ。


日々の生活を見直す最中の人が、

300万円のオートバイを購入するかと言えば、

答えは間違いなく「NO」である。


ハーレー・ダビッドソンという特異なバイクは、

一部の富裕層のためにあるわけではなく、

根っからのバイク好きのためにあるわけでもなく、

週末を幸せに過ごしたい、

そんな普通の人のためにあるものなのだ。

そんなことを思った。


この不況を誰が予測できただろうか。

アメリカの象徴と言っても過言ではないFORDやGMがあんな事になってしまった。

ハーレー・ダビッドソンの経営に非はなかったのだろう。









ただし、1人のバイク乗りとして、

そしてスタッフとして働いていた者として、

気になることも書いておきたい。



最近、ここ数年の話だが、

モデルチェンジが頻繁に起きすぎていた気がする。

同一のプラットフォームから多用な派生車種を作り出す、

いかにもアメリカ的で合理的なラインナップは高利益率を約束してくれるはずだ。

しかし、そうは言ってもあまりにも車種の増減や変更が多かった気がする。

Softail モデルのワイドタイヤ化、

Dyna モデルのリニューアル、FL Touring モデルのフレーム変更。。。

心臓のTwin Cam 88 エンジンだって、あっという間に排気量が拡大されてしまった。

2006年モデルあたりから毎年のようにニューモデルが出て、

その後も次々に新型パーツがリリースされた。

「2003年までのモデルには取り付けできない」

「2006年以降のダイナにしか使えない」

そんなのが急激に増えて、覚えるのが大変だった記憶がある。



一昔前と今では市場も市況も異なるのは何となくわかる。

誰でも自分のハーレーが一番だと思う、

そんな思いを差し引いたとしても、

最近のハーレーは、僕の中で少しその輝きを曇らせている。

ほんの数年前のハーレーまでが良かったな、と思う。







話が逸れてしまったが、

そんな事態を受け、ビューエルはついに生産中止に追い込まれた。

部品の供給は暫らく続くだろうからあまり心配はしていない。

そもそも僕のビューエルは10年以上前のものだから、

既に入手できなくなったパーツだってたくさんある。



ビューエルという輝かしいメーカーがなくなるのが残念でならない。

特別速いわけでもなく、特別乗り心地がいいわけでもないが、

特別楽しいバイクを世に出し続けたメーカーだ。

ドイツのBMW に乗っても手に入らない強烈な面白さを、

イタリアのDUCATI では叶えられない荒い高揚感を、

アメリカのBUELL は乗り手に伝えてくれるのだ。


タンクに刻まれた「AMERICAN MOTORCYCLE」という言葉が好きだ。

車体は小さく、軽く。エンジンは強く、大きく。

それしか考えていなかったんじゃないかというくらい勢いのある設計。

激しい振動と共に加速する車体。

180kgの車体にアメリカを詰め込んだ、本当にいいバイクだったのに。



企業としても、実にいい会社だった。

エリック・ビューエルはただひたすらにビューエルを愛していた。

そんな本国の影響か、

僕が働いていた当時のハーレー・ダビッドソン・ジャパンのBUELLチームも、

実に気さくで楽しいビューエル好きの集まりだった。



創業者が現役でバイクを作り続けている、

実はビューエルは世界で唯一のメーカーだったのだ。

彼はハーレー・ダビッドソンに戻るようだが、とても悲しかったに違いない。

彼が今後もハッピーでいられることと、

僕の中で、ハーレー・ダビッドソンが再び輝いてくれることを願う。



いつかまた、ハーレーに乗る。

心の中ではそう決めている。

またロードキングにすると思うが、FLHXみたいなのもいい。

何にせよ、ハーレーに乗る日が待ち遠しい。


でも、もうひとつ決めていることがある。

その日までと、その日からと、

僕はビューエルS1に乗り続ける。












 

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BUELLも…
『スポーツスターも』って聞いたんですけれど…

H‐D自体は大丈夫ですか?H‐D Japanは?
ディーラーさんも多過ぎるような気がしますが…
何とか頑張って欲しいものです。
よっし~ 2009/10/19(Mon)08:57:23 編集
無題
>よっし~さん
XL系についてはわかりません。。
ただ本国でもヨーロッパ市場でもXLは売れてますからね。
BUELLの場合はどの市場でも微妙な・・・笑
最近の内部事情は知りませんが、あくまでも強気なんだとは思います。
特に東京は淘汰される時期に来ているでしょうね・・・
americoma 2009/11/03(Tue)22:38:48 編集
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アメリカと日本、
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こよなく愛し、
その矛盾する感覚に
自分自身興味津々。


1996 BUELL S1
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葛飾北斎と
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崇拝しております。

休日は近所のタリーズで
絵を描いたり、
雑誌読んだり、
人間観察したり、
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