don't kill him killed them

もう1週間も経ってしまうが、

秋葉原で無差別殺人事件が起きた。



通勤で毎日通る秋葉原。



そこが秋葉原だから起きた事件ではない。

東京でも新宿でも池袋でも、

いつどこでそんな事件が起こるかわからないし、

自分が被害者にならない保証なんて何処にも無い。








殺傷能力が如何に高いとは言え、

あんなひ弱な小僧の振り回すナイフで人は死んでしまうのか。

なんだか驚かされた。




買い物か遊びか知らないが、

気持ちの良い週末だったに違いない。


トラックにはねられ、踏まれ、刺され、

一体そこにいた彼らが何をしたと言うのだろう。


彼は一体何をやっているのだ。






裁判でもしばしば争点になってしまうから仕方ないが、

メディアはこぞって彼の生い立ちにフォーカスしたがる。

目立たない子だった、

勉強はできる子だった、

キレやすい子だった、

僕は専門家ではないからわからないけど、

それはそれでしょう。


目立たなくて、勉強ができて、キレやすくて、

そして今一生懸命に生きている人間など、いくらでもいる。




彼の自己中心的な考え方を、

他人の命を顧みないその行動を、

幼少にさかのぼって理由付けする必要など何処にも無いはずだ。







僕が一番驚いたのは、実は7人を殺したことではない。




路地で警官に囲まれた彼は、

拳銃を手に警告されると、おとなしくナイフを捨てたのだと言う。


なんと甘い、安直な人間なのだろう。

狂ったように掲示板に綴られた彼の思いの通りの行動なら、

孤独を恐れた彼の最後の爆発であったのなら、

なぜナイフを捨てたりするんだ。

死んでもナイフを突き立てればいいではないか。







その覚悟の無い中途半端な行動は、

中学生が強がって万引きするのと変わらないレベルの下らないものだ。

そんなものの為に、

7人という人が大切な人生を終わらせることになってしまったのだ。

なんという悲しい話だろう。








彼を許してはならない。


そのために、

彼を死刑にしては絶対にならない。





死んでもいいと思う人間が、この世には本当にいる。

どうにでもなれと自暴自棄になっている人間が、社会のあちこちにいる。


彼らに死を与えても、それは彼らの望みを叶えるに過ぎない。




生きることが如何に辛いか、

どれほど大きな罪を犯したのか、

その罪が許される日は来るのか、

一生考えねばなるまい。



何故に孤独だったか、

何故に人と理解し得なかったか、

一生自分と向き合わなければなるまい。





彼が更生するとか、

罪を償うとか、そういうことを求めている訳ではない。



ただ、向き合わなければならない苦しみを、

とことん味わわせてやるべきだと思う。
















休日出勤した本日。


何処もかしこも、

人の群れ。

旅行、デート、お買い物、

思い思いの休日を過ごす彼らの顔は晴れやかだ。