O・KE・HA・ZA・MA

僕の居たハーレーの店というのは、

実は結構小さい。



店内も広くないし、

ボロくて飾ってもあまりキレイでは無かった。


会社は店を4つも5つも持っているから、

会社としては日本有数のハーレーディーラーに間違いないが、

店一つとってみれば、実に小さな店だった。


ここ2年くらいは近くにより新しくより大きな販売店が続々オープンして、

僕のいた店は見事に劣勢に立たされたように思う。





しかし、だからこそ僕は燃えた。

劣勢だからこそ、満足できない状況だからこそ、

改善点が存在し、向上する可能性が存在するのだ。

初めからパーフェクトな環境に立たされては、

ただただそれを守るのみだ。


工夫一つで何かが変わる、

自分しだいで環境を変える、

「完璧どころか、むしろ劣っている」ことが

僕をやる気にさせてきたのだと思う。







今の僕の働くこの会社は、非常に巨大な組織だ。

数千という人がお互いの名前も知らぬままに目的を共にしている。


そんな巨大企業の風土に、

果たして僕のちっぽけ侍魂が通用するのか。




結果を出すにはまだまだ早いが、

一つの結論に至るであろうという予感はある。





通用する。


きっと通用するぞ。






数千の個が集まる巨大な集団であるが、

僕の属する一番小さな単位は4人。

この11月末でベテランが2人いなくなった。

次に小さな組織が課だ。20人。

今月も来月も人がいなくなるようだ。



元々寄せ集め要素のある課だけに、

たったこれだけの人数で扱う書籍は多岐にわたる。



油断すると波に飲まれるような緊張感。


なんとかしようじゃないか、この僕が。



大きな期待に応えることが出来なければ、

小さな期待に数多く応えよう。


就任1ヵ月の僕がやる仕事、頼まれる仕事はまだまだ軽い。

しかしその分、

僕はそのスピードと精度で応えようと心に決めている。



人手が足りない、

やることが多い、

現状のシステムやフローには問題がある、

そういうネガティブな要素の中にこそ、

やる気のモトを見つけていこうと思う。






小学生の頃、社会科が一番好きだった。

織田信長がカッコよかったからだ。


激しい気性は僕を魅了したし、

現存しない豪華絢爛の安土城は僕の想像力を掻き立てた。


何より興奮したのは、

駿河の今川義元の大軍を撃破したことだ。

数において圧倒的劣勢にあった織田信長が、

その作戦と勇気で戦いに勝利したのだ。




勝つことは好きだ。

勝つ過程がもっと好きだ。



何となく買ったシステム手帳が、

みるみる予定で埋まっていく。

だんだん仕事らしくなってきて、

最近僕は上機嫌だ。



どうせ会社に時間を拘束されるのだ、

中身は濃い方がいい。





お勤めのみなさん、

頑張って乗り切りましょう、この12月。


そして風邪には気をつけましょう。