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結婚式で旧友に再会したからか、


それとも上野で絵を見たからか、

はたまた今、夏休みだからなのか。



学生時代をよく思い起こす。



絵を描きたいような、描きたくないような、

宙ぶらりんな気持ちで過ごした日々や、

ろくに休憩もせずに描きまくった日々。


登校してそのまま飲み会になった夜もあれば、

ギターを弾いていた夜もある。

友達に恋愛相談をしてみたり、

友達の恋愛相談に乗ったり。







大学生の僕は夜行性だった。

遠い先輩が造ったという絵画棟のアトリエ裏の巨大な空間。

雨風もしのげるし水道も電源も確保された立派なアトリエだが、

半屋外だったのでエアコンは無かった。

日中の猛暑を避けて、

夕方から朝まで絵を描いていた。





どこかから拾ってきた炊飯器、冷蔵庫、ホットプレート。

食事はみんなで食べる方が旨いとつくづく感じたものだ。



どんな蚊取り線香も通用しない、八王子の山奥の、強力な蚊。

奴らは大きさからして都会のそれとは全く違う。

しかもたくさん飛んでいて、こちらは血を吸われるばかりだ。


まだ乾かない、真っ白な下地めがけて飛び込んでくる、小さな蛾。

彼らの体当たりにあっては、せっかく平滑にした下地も台無しだ。

なんど下地を塗りなおしたことか。

小さいヤツの場合は、くっついたまま乾かして、

一緒にサンダーで磨いてしまったこともあった。


ときおり現れる、クワガタやスズメバチなどの大物。

クワガタはともかく、スズメバチには本当に気をつけなければならない。

独特の低い羽音は戦慄ですらある。




ひぐらし。

そろそろ絵を描き始めようか、

そんな、

夕暮れ時に。

そろそろ家へ帰ろうか、

そんな、

朝もやの中で。


ひぐらしは鳴いていた。

優しく、切なく、

ひぐらしが鳴いていた。











日中とんでもない気温になったかと思えば、

決まって激しい夕立が起こり、涼しい夜風が吹き抜ける。


僕の感覚でいえば、この夏は、なんだか夏らしい。

なんだか久しぶりじゃないか、夏らしい夏。





片付けておきたいことがあったから、

朝から会社にいた。

静かなオフィスで、仕事ははかどった。



会社を出る頃に夕立を降らせた空は、

電車を降りる頃にはあかね色に染まっていた。





週末に直ったビューエルを走らせた。





夕暮れ時に。

カフェラテを飲んで、音楽を聴いて。

空を眺めて、本を読んで。




夕暮れ時に。

思い出すのはあの夏だ。

ひぐらしが鳴いた、

あの夏だ。


















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HN:
americoma
性別:
男性
自己紹介:
人 魂 で
行 く 気 散 じ や
夏 野 原


アメリカと日本、
そしてそれぞれの文化を
こよなく愛し、
その矛盾する感覚に
自分自身興味津々。


1996 BUELL S1
僕の頼もしい愛車。

葛飾北斎と
MOTLEY CRUEを
崇拝しております。

休日は近所のタリーズで
絵を描いたり、
雑誌読んだり、
人間観察したり、
考え事したり、
何もしなかったり。
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