ありがとうのキモチ

自分より頭のいい人間など、

この世にいくらでもいるだろう。


自分より絵の上手いヤツも、挙げればきりがないはずだ。



自分より仕事のできる人間も、

自分より運動のできる人間も、

それはそれは多くいることだろうし、

自分より男前の人間も、

自分より優しい人間も、

探すのに苦労しないだろう。






だから、

「世の中で僕が一番だ」

なんて客観的に見られる事実なんて見当たらないし、

主観はさておき客観論で考えればそれは至極当たり前のことでしょう。



ところが、

僕はたった一つだけ世の中の一番を持っている気がしていて、

一番だと感じられることを誇りに思っている。



世の中で一番、

僕は人間に恵まれていると、本気で思っている。


友人　（アイツもついに今年結婚する。感慨深い。。。）

学校の先生　（いつも同じ服着てたけど、やっぱりカッコ良かった）

恋人　（片思いのあの娘も、笑）

ハーレー屋のお客さん　（何百人から、何万という物事を教わった気がしている）

職場の人　（アツい上司、手のかかる後輩・・・）

もちろん、家族　（未だにちゃんとお礼を言えていないが。。。）




自分を中心に考えれば、

僕の人生を幾多の人が通り過ぎていった。

信頼できる人も、大嫌いな人もいた。

全てを捧げたい人も、憎くて仕方ない人もいた。


大勢の人に教わり、大勢の人とぶつかり、

僕はここまでやって来た。




人と比べられるものでは無い、

そんなこと勿論わかってはいるさ。

でも僕は、自分を取り囲む多くの人を誇りに思うし、

そういう人たちに囲まれた自分をラッキーだと思う。

本当に感謝している。













6月の最終日。

僕に残された月間勤務時間は僅か5時間ちょっと。

午前中に美容院に行ってカットしてもらい、

午後から出勤して2つのミーティングを終わらせ、

原稿を進行させて18時に退社。

なんとも慌しい1日。。。







「卒業」と言う。

「退社」では無く、「卒業」と呼ばれる、この会社を去る行為。


会社の都合が強く滲んでいるような、

でもそれこそ若い人ばかりのこの会社らしいような、

とにかくその言葉には抵抗があるが、

月末の今日は、「卒業」していく人もまた多い。

そして明日からは、

また別の人が次々にやってくるのだ。











態度がデカい。

根拠の無い自信に満ち溢れている。

喧嘩っ早い。

自分に対しては結構ストイック。

あと、ちょっと惚れやすい、笑。



喧嘩っ早いのは別として、

自分って昔から変わらないな。

成長したなんて思ってはいるが、たかが知れたもんだ。

それぞれに磨きがかかってきた感じはするけれど、

本質的に対して変わらない。

三つ子の魂百まで。

こういうコトなんだろうか。

いや、惚れっぽさに磨きがかかったとは思わないけれど、笑。




いつからだろう、

いつからか判らないけれど、

たった一つだけ、昔の自分と決定的に変わったことがある。


他人に対して、

「ありがとう」と思えるようになったこと。

僕に与える影響の良し悪しに関わらず、

その人とその人から受ける影響に感謝できるようになったこと。

何故ってそれこそが僕を最大限に成長させてくれる肥やしだからだ。

言ってみれば超ハイオクタンのガソリンのようなものだ。


それがいつからか、全然思い出せないけれど、

きっと本格的に絵を描くようになってからだろう。。。



「ありがとう」って、いい言葉だ。

人を、自分を幸せにしてしまう。











とってもお世話になったその人も、

今日、慌しくグラントウキョウを去る。



それが終わりではないとわかってはいるけれど、

何だか寂しいという感覚もまた嘘ではない。






目まぐるしく過ぎ去る時間の流れ。

今年ももう半分が終わった。


この半年で出会った人に、まずはありがとうを言いたい。

それ以前から関わっている多くの人にも、やはりありがとうを言いたい。

この先に出会う人を、ありがとうの気持ちで迎えたい。




色々な人を思いながら妙に切なくなったのは、

きっと、

夕焼けを見たからだ。

久しぶりに、

オレンジ色の夕焼けを見たからだ。